「今は問題ない、大丈夫」と思っていませんか?
歯科学報の記事で興味深い記事を見つけました。
「交代勤務は口の中に問題を引き起こす可能性がある」
実は歯の見た目に変化が無く、自覚症状が無くても歯の定期検診は受けた方が良いです。
その理由は「歯と歯ぐきの間」に汚れが溜まり、知らないうちに歯周ポケットが深くなっていくからです。
歯周ポケットは自分では掃除できません。
どういうことかと言うと、歯周ポケットを定期的にクリーニングしないと歯周ポケットが深くなるからです。
歯周ポケットが深くなると歯周病になります。
歯周病(歯槽膿漏)の怖さは、その進行が「静かで気づきにくい」こと、そして放置すると全身の健康にも深刻な影響があるそうです。
歯を失う原因の約7割が歯周病とされており、虫歯よりも多いのです。
自分の歯周ポケットの深さが分からない方は測ってもらったほうが良いです。
この記事では歯周ポケットの深さの基準と歯周病について簡単に解説した後、
【勤務形態が口腔内に及ぼす影響-夜勤を含むシフト勤務者と日中勤務者との比較】という歯科学報の記事を見つけたのでご紹介します。➡歯科学報の要約はコチラ
交代勤務をしていて「歯周ポケット」の深さを知らない人は危機感持った方が良いです。
歯周ポケットとは?
歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にある溝や隙間のことを指します。健康な歯ぐきではこの隙間は浅いですが、歯周病などで歯ぐきが炎症を起こしたり、歯槽骨(歯を支える骨)が破壊されたりすると、このポケットが深くなります。
歯周ポケットの基本的な特徴
- 健康な状態: 歯周ポケットの深さは通常1~2mm程度で、歯ぐきが歯にぴったりと密着しています。
- 炎症や歯周病の状態: ポケットが3mm以上になると、歯ぐきに炎症がある可能性があり、歯周病の初期段階とされます。
歯周ポケットができる仕組み
- 歯垢(プラーク)の蓄積
- 歯と歯ぐきの間に細菌が溜まると炎症が発生し、歯ぐきが腫れたり後退したりします。
- 歯ぐきの炎症
- 炎症が続くと歯ぐきが歯から離れ、隙間が深くなりポケット状になります。
- 歯槽骨の破壊
- 歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が溶け、ポケットがさらに深くなります。
歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にある溝や隙間のことを指します。健康な歯ぐきではこの隙間は浅いですが、歯周病などで歯ぐきが炎症を起こしたり、歯槽骨(歯を支える骨)が破壊されたりすると、このポケットが深くなります。
歯周ポケットの基本的な特徴
- 健康な状態: 歯周ポケットの深さは通常1~2mm程度で、歯ぐきが歯にぴったりと密着しています。
- 炎症や歯周病の状態: ポケットが3mm以上になると、歯ぐきに炎症がある可能性があり、歯周病の初期段階とされます。
歯周ポケットの深さと診断基準
- 健康な歯ぐき
- ポケットの深さ:1~2mm
- 歯ぐきに炎症はなく、引き締まった状態です。
- 歯肉炎
- ポケットの深さ:3mm程度
- 軽い炎症があり、歯ぐきが赤く腫れていることがあります。歯周病には進行していない段階です。
- 軽度の歯周病
- ポケットの深さ:4mm以上
- 歯ぐきに明らかな炎症が見られ、歯周病の初期段階です。この時点で適切なケアを行えば進行を防げます。
- 中等度の歯周病
- ポケットの深さ:5~6mm
- 歯を支える骨(歯槽骨)が徐々に破壊されている状態です。歯ぐきが下がり、歯がぐらつくことがあります。
- 重度の歯周病
- ポケットの深さ:7mm以上
- 歯槽骨が大きく破壊され、歯の脱落の危険性が高まります。早急な治療が必要です。
歯周ポケットができる仕組み
- 歯垢(プラーク)の蓄積
- 歯と歯ぐきの間に細菌が溜まると炎症が発生し、歯ぐきが腫れたり後退したりします。
- 歯ぐきの炎症
- 炎症が続くと歯ぐきが歯から離れ、隙間が深くなりポケット状になります。
- 歯槽骨の破壊
- 歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が溶け、ポケットがさらに深くなります。
歯周ポケットが深くなるとどうなるのか?
- 細菌の温床: 深いポケットは細菌や歯垢が溜まりやすく、炎症が悪化する原因となります。
- 歯のぐらつき: 歯槽骨が破壊されることで歯が不安定になり、最悪の場合、歯が抜け落ちることもあります。
歯周ポケットを健康に保つには?
- 正しい歯磨き
- ソフトな歯ブラシを使用し、歯ぐきと歯の間を丁寧に磨きます。
- 歯間ブラシやデンタルフロスの活用
- 歯と歯の間の歯垢をしっかり取り除くことで、ポケットの深さを保てます。
- 定期的な歯科検診
- 歯周ポケットの深さを測定し、歯石やプラークの除去を行います。
- プロフェッショナルケア
- スケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯の根の清掃)でポケットを清潔に保ちます。
歯周ポケットは歯と歯ぐきの健康状態を知る重要な指標です。定期的なケアでポケットの深さを管理し、歯周病を予防しましょう!
歯周病(歯槽膿漏)とは?
歯周病(歯槽膿漏)の怖さは、その進行が「静かで気づきにくい」こと、そして放置すると口腔内だけでなく全身の健康にも深刻な影響を及ぼす点にあります。
1. 歯を失う原因となる
- 歯周病は、歯を支える歯ぐきや歯槽骨(歯の土台となる骨)を破壊します。
- 進行すると歯がぐらつき、最終的には抜け落ちることがあります。
- 歯を失う原因の約7割が歯周病とされており、虫歯よりも多いのが特徴です。
2. 自覚症状が少なく進行する
- 歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、痛みや不快感をほとんど感じないまま進行します。
- 気づいたときには症状が重度になっていることが多く、治療が困難になる場合があります。
3. 口臭の原因になる
- 歯周病が進行すると、歯周ポケット内で細菌が繁殖し、強い悪臭を放つガスを発生させます。
- これにより口臭が悪化し、人間関係にも影響を与える可能性があります。
4. 全身の健康への悪影響
歯周病菌や炎症物質が血液中に入り込むことで、次のような全身疾患のリスクが高まるとされています。
(1) 心血管疾患
- 歯周病菌が動脈硬化を悪化させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める可能性があります。
(2) 糖尿病
- 歯周病と糖尿病は相互に悪影響を与えます。歯周病が糖尿病の血糖コントロールを悪化させ、糖尿病が歯周病を進行させることがあります。
(3) 誤嚥性肺炎
- 高齢者では、歯周病菌を含む唾液が肺に入ることで肺炎を引き起こす可能性があります。
(4) 早産・低体重児出産
- 妊婦の場合、歯周病が早産や低体重児出産のリスクを高めるとされています。
5. 美容や生活の質への影響
- 歯ぐきの見た目: 歯周病によって歯ぐきが後退すると、歯が長く見えたり、見た目が老けた印象を与えます。
- 食事の制限: 歯がぐらつくと硬いものが噛めなくなり、食事の楽しみが減少します。
- 精神的ストレス: 痛みや口臭、見た目の悪化は、生活の質や自信に大きく影響を与えます。
6. 治療が難しい場合もある
- 初期の歯肉炎であれば改善が期待できますが、中等度以上の歯周病になると、失われた歯槽骨や歯ぐきを元に戻すのは非常に困難です。
- 重度の場合、抜歯や高額な治療(インプラントや義歯)が必要になることがあります。
歯周病を防ぐためにできること
- 毎日の正しい口腔ケア: 歯磨きやフロス、歯間ブラシを使って歯周病菌を減らします。
- 定期的な歯科検診: 歯周ポケットの深さを測定し、早期発見・治療を行います。
- 生活習慣の見直し: 喫煙や不健康な食生活を改善し、免疫力を高めます。
【学報】勤務形態が口腔内に及ぼす影響とは?
⇧上記図は歯科学報のリンクです。
目的
シフト勤務(夜勤がある仕事)が体に悪い影響を与えることは、これまでに脳梗塞や糖尿病などで知られています。でも、口の中(歯や歯ぐき)への影響については、あまり調べられていませんでした。この研究では、働き方の違いが男性正社員の歯や口の健康にどう関係しているかを調べました。
方法
インターネット調査を使って、男性の正社員にアンケートをお願いしました。アンケートでは、働き方、収入、生活習慣(タバコや病気の有無など)、歯の数やむし歯の状態、歯ぐきの症状、歯みがきの回数などを質問しました。回答者814人のうち、記入が不十分な46人を除きました。
調査対象者は次のようにグループ分けしました:
- 夜勤があるシフト勤務:397人
- 夜勤がない日中勤務:371人
さらに年齢別に、30~49歳と50~69歳のグループに分けて比較しました。
結果と考察
調査結果は次のようなことがわかりました:
- 歯の数
夜勤がある人は平均24本、日中勤務の人は平均25.6本と、夜勤の人のほうが歯が少ない。 - 未治療のむし歯
夜勤の人は26.4%、日中勤務の人は15.1%で、夜勤の人にむし歯が多い。 - 歯ぐきから血が出る
夜勤の人は24.2%、日中勤務の人は17.0%で、夜勤の人に多い。 - 口内炎ができやすい
夜勤の人は11.6%、日中勤務の人は7.0%で、夜勤の人が多い。 - 歯みがきの回数
1日に2回以上歯を磨く人は、夜勤の人が66.0%、日中勤務の人が73.6%で、夜勤の人が少ない。
さらに詳しく調べたところ、夜勤がある人、タバコを吸う人、太り気味の人に未治療のむし歯が多いことがわかりました。
まとめ
この研究から、夜勤を含むシフト勤務は口の中に問題を引き起こす可能性があることがわかりました。歯や口の健康を守るために、夜勤の人は特に注意が必要です。
あとがき
歯に問題が無いように思えても定期健診に行くことをオススメします。歯周ポケットの深さは歯周病の早期発見に欠かせないことだと分かりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。